団体交渉のパターン

上部団体との団体交渉

上部団体も条件さえ整えば、独自に団体交渉の当事者となることもできますが、通常は、上部団体と当該組合が連名で使用者に対し団体交渉を申し入れ、共同で交渉の席に着くことになります。

併存する複数組合から団交要望があった場合

上部団体が企業内の組合と連名で交渉を申し入れることは差し支えありませんが、企業内に複数組合が併存している場合に、使用者に共同で交渉を申し入れることもあります。

2組合からの共同交渉を、会社側が拒否したことについて争われた。


東京都労委は、共同交渉を受け入れるよう、救済命令を出したが、会社側はこれを不服とし命令取消を提訴した。


裁判所は、共同交渉に応ずる義務はないとの判断を下し、救済命令を取り消している。


旭ダイヤモンド工業事件 東京地裁 S54.12.20

唯一交渉団体条項

労働協約によって、団体交渉の相手方を1つに定める場合があります。


しかし、第二組合が結成されたような場合は、その第二組合も雇用の団体交渉権を持っているので、使用者は条項の規定をもってこれを拒否することは許されません。

使用者は労働組合法の規定に従い雇用する労働者の代表者と団体交渉をなすべき義務があり・・・・たとえ唯一交渉団体条項を定める労働協約があるとしても、かかる労働協約は強行法規に反する無効なものであって、右法律に定める使用者の義務を排除する効力を有するものとすることはできない。


浅野雨竜炭坑事件 札幌地裁 S26.2.27

下請労働者の加入組合から団交要望があった場合

具体的に支配・決定できる地位にあるか否かがポイントとなります。

下請企業の労働者の加盟組合からの団交申込みを朝日放送が拒否した。


朝日放送は下請3社の従業員に対し、日程の作成、器材の供与、作業進行の監督等を行っていた。


中労委の判断
実質的に労働者を指揮監督していたのは朝日放送であるので、使用者に該当するとした。会社側はこれを不服として提訴。


東京地裁の判断
中労委命令を支持。


東京高裁の判断
下請会社側が事業主体であると認定し、中労委命令を取り消した。


最高裁の判断(H7.2.28)
逆転判決を下して、朝日放送が労組法上の使用者であることを認めた。


その根拠として「右従業員の基本的な労働条件等について、雇用主である請負3社と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定できる地位」にあったと述べてい る。

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