労働組合の戦術

労働組合による企業施設へのビラ貼り

最高裁は、使用者の許諾なしに企業施設を利用して組合活動を行うことは、特段な事情がない限り正当性を持たないとしています。

特段の事情については、総合的に判断されることになりますが、例えば、次のような要素が判断基準となります。

学園の経営状況などに関するビラ配布を理由とする教職員12人の懲戒解雇は、原告らに弁明の機会を与えておらず、就業規則および賞罰委員会規則を無視した重大な手続き違反があり、無効である。

入試説明会の場で組合ビラを配布した組合書記長たる高校教諭に対する解雇を、無効とした。

原告らがビラを配布したのは、入試説明会に来た受験生及び保護者約40名で、住吉学園の受験生のごく一部であること、原告らのビラの配布行為によって、この年の受験状況にどのような影響があったかは、必ずしも明らかではないことからすると、前記のとおり原告の教師としての適格性にやや疑問の余地があるとしても、ビラの配布行為を理由何らか警備な懲戒処分を発することはともかく、これのみをもって原告を解雇することは、そのもたらす結果が過酷にすぎるというべきであて、本件解雇は解雇権の濫用に当たり、無効であるというべきである。

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