育児休業中の不利益取り扱い撤回の要求があった事例

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事件の概要
  • 集団的労使紛争の内容およびユニオンの要求事項

    育児休業中の労働者に対する不利益取り扱い撤回の要求

  • 会社の業種および規模

    外資系商社で社長は外国人 従業員数15名

  • 組合概要および組合員

    東京都拠点のユニオン 勤続3年の女性事務職 賃金29万円/月

  • 紛争内容

    20XX年9月X日 会社が育児休業中の社員に退職勧奨をしたところ、ユニオンから、組合加入通知書と団体交渉申入書が送られてきた。
    要求事項は、退職勧奨の撤回であった。
    団体交渉を1度行ったが、埒が明かないので、会社からどのような対応をすればよいのかという相談を受けた。

解決までの道のり

社長から話を聞いたところ、育児休業している当該女性従業員がローパフォーマーであり、この機会に退職してもらい、新しい社員を採用するとの経営判断で、退職勧奨したと説明を受けた。

社長は外国人で国内の法律をあまりご存知ではなく、男女雇用機会均等法、および育児介護休業法により、婚姻、妊娠、出産、育児休業等を理由に不利益な取り扱いをすることは禁止されていることを指導した上で、この事件をお引き受けすることになった。

外国人社長01外国人社長

当社に育児休業で休んでる女性がいますが、
仕事の能力が低いんで、この機会に「辞めてくれ」って言ったんデス。

外国人社長02外国人社長

そしたら〇〇ユニオンから、「撤回しろ」って手紙が来たんデス!!

代表 竹内 睦竹内

日本では育児介護休業法という法律があって、育児休業を理由とした不利益な取り扱いをすることは禁止されているんですよ。

外国人社長02外国人社長

マジですか? オーマイガーッ!

20XX年10月X日 ユニオンから、「打ち合わせをしたいことがある。」と会社に連絡があった。

正式な団体交渉の申し入れなのか、非公式折衝の打診なのかユニオンに確認するため、会社から電話連絡をしたところ、ユニオンからは、協議ではなく「復帰を認めるか否か早急に結論が欲しい」との回答であった。

ユニオン担当者01ユニオン担当者

あ~、〇〇さん、
打ち合わせをお願いしたいんですがね・・・

会社側担当者01会社側担当者

それは団体交渉の申し入れなんですか?
それとも非公式な折衝なんでしょうか?

ユニオン担当者02ユニオン担当者

別に協議したいって言ってるんじゃなくてね、
復帰を認めるのか認めないのか、結論を早急に欲しいんですよ。

20XX年10月Y日
会社から回答書を送付したが、その後、ユニオンから何も連絡がないので、会社は、このまま放置してよいか心配していた。
組合員がユニオンを脱退した可能性もあるので、しばらく様子を見て、再度、前回と同様の回答書を送付することにした。
20XX年10月Z日
会社から、回答書に対するユニオンの反応がないが、どうすればよいかと再度の問い合わせがあったため、フリクション覚悟で、再度、回答書を送付した。
20XX年11月X日
会社側担当者02
相変わらずユニオンの反応がないので、会社から電話連絡したところ、組合員はユニオンを脱退したとのことだった。
団体交渉は1度しか行っていないし、労働組合法第7条2号(不誠実団交)3号(支配介入)との不当労働行為救済申立の可能性については極めて薄いと思われる。
しかし、可能性は捨てきれないので、「今後、ユニオンとしてどう対応するのか?」について、慎重にユニオンに確認した。
20XX年12月X日
ユニオン担当者03
ユニオンの担当者に改めて確認したところ、「組合員がユニオンを脱退したこと、および今後はユニオンは関与しない。」とのことであった。
あわせて、その旨が記載された書面がFAXされて来た。
そのような雰囲気はあったが、組合員がユニオンを脱退するといった思いがけない結末となった。
これにて、会社とユニオン間の集団的労使紛争は、無事終結することとなった。
育児休業者

会社とユニオン間の集団的労使紛争については、いったん終結したが、これで問題は解決したわけではない。

その後、20XX年12月Y日に、会社と元組合員の女性従業員が話し合いをすることになった。

この面談には、当職も補佐人として同席することになった。

面談時、当該女性従業員は、直属の上司について、その態度や言動に、激しくクレームをつけて、不平不満を言っていた。

しかし、言うだけ言うとスッキリした様子だった。

当職からは事前に会社に対して、「今回の育児関連の事案は、会社にとって分が悪いので、沈黙は金で対応すること」を申し上げていた。

会社が円満退職の条件として、賃金5ヵ月分+αで合計160万円の解決金を提示したことにより、円満退職の合意が成立し、本来の個別労働紛争は解決した。

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