事例-4 うつ病の休職から団体交渉・・・

うつ病により休職した労働者が合同労組に加入し、労災申請、休業補償、退職時の金銭支払を求めて、団体交渉を要求してきた事例です。

【事件の概要】

当該会社(以下「会社」)は、従業員40名のソフトウェア開発会社である。
主に受託開発のソフトウェア開発を手がけており、当該30歳男性従業員(以下「D」)は、プログラマーとして会社に約2年勤務している。


履歴書を見ると、ソフトウェア開発会社を転々とした後、自営でソフトウェア開発を行っていたが廃業しており、協調性に欠けることが見て取れる。


最近、精神的に不安定となり、業務中にぶるぶる震えたり、塞込んだり、当日に会社を無断で欠勤するなどしたために、社長がDの健康を心配して、Dに病院に行くよう打診し、Dはしぶしぶながら従った。


後で判明するが、Dが過去に勤務した会社でも、精神疾患で退職していた事実があった。


その後、抑うつ症状とする診断書を提出し、休職に入った。
直後に合同労組への加入通知が会社へFAXされてきた。

【団体交渉の要求事項】

1) Dのうつ病の罹患は、職場でのいじめが原因であり、業務上の災害であるから労災保険の申請をすること。
2) 労災であるから、傷病手当金がカバーされない40%部分を補償すること。
3) 最終的に合意退職なら250万円が要求金額となった。

【交渉の過程】

会社は、第一回目の団体交渉で、職場内でのいじめなどは無く、Dのうつ病罹患は、本人の既往症であり、私生活上の悩みも原因であることを主張した。


したがって、組合からの金銭の要求に対しては、根拠がないとして拒否した。


また、会社は、Dを解雇する意思はなく、休職期間内で治療して欲しいことを主張した。


第一回の団体交渉で話し合いをしたが、合同労組からの金銭の要求を会社が拒否したので、合同労組は、早速労働委員会にあっせんの申請をした。


労働委員会のあっせんの場では、誠実な団体交渉の場を設けないこと、労働組合の要求事項に対してまったく応じる気配も検討した跡も無いのは、不当労働行為であると認めろと散々責められたが、会社は、そんなことはないと一歩も引かなかった。


その後、合同労組から、再度、団体交渉の申し入れがあり、団体交渉を行ったが、会社はあくまでも金銭要求には応じなかった。


後日、団体交渉ではなく、事務折衝を電話で行ない、Dの合意退職を前提とする解決金70万円(給与月額35万円)の提示を行ったが拒否される。


合同労組は、再度、団体交渉を申し入れてきたが、会社は断った。


その後しばらくして、団体交渉にも出席していた執行委員長が一人でやってきて、Dと共に会社へ進入しようとしたので、部外者の進入を拒否し、強行する場合は不法侵入で警察を呼ぶことを告げる。もちろんDも休職期間中であるため会社へは入れなかった。


休職から3ヵ月が経過し、傷病手当金もまだ入金されず、生活に困窮してきたDは、合同労組と相談して、金銭の要求金額を150万円まで下げてきた。


再度、事務折衝を電話で行ない、100万円で合意退職するよう打診し、結果としてこの金額で合意となる。

【解決】

100万円で合意退職。

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