事例-3 試用期間満了後に労組加入・・・

試用期間満了後に解雇した労働者が合同労組に加入し、解雇の撤回と未払い賃金の支払を求めて団体交渉を要求しきた事例です。

【事件の概要】

当該会社(以下「会社」)は、従業員数160名のゲームソフト制作会社。


当該従業員(以下「C」)は、大学卒業後、2回の転職後、当該企業は3社目で入社。職種は、CG制作業務であり、その経験を買って中途採用した。


しかし、勤務態度は意欲や積極性に欠け、遅刻もあり、会社は都度、直属の上司から注意を与えていたが、教育指導をしても改善の兆しが見えなかった。また、職務遂行能力も経験者の割にはお粗末なものであった。


試用期間中の従業員の取り扱いにおいては、過去において、試用期間中および満了時に正社員に登用せず解雇という扱いをしたことがなく、家族的な運営を心がけ、辛抱強く教育していく方針で労務管理してきた。


会社はCに対して、試用期間満了の日に、このままでは正社員として採用できないこと、そこで試用期間を更に1ヶ月延長して判断することにして、もし改善の見通しが見込めなければ解雇することを告げた。


ちなみに、当該企業の就業規則に記載された試用期間の条文は、次の通り。

(試用期間)

第8条 新たに採用された者は、採用の日から3ヵ月間を試用期間とする。

2  その期間中の勤務が良好であり、従業員として的確性ありと認められた者は、期間満了日に本採用とする。

3  試用期間中または期間満了日の際に、社員として不適当と認められた時は、採用を取り消す(解雇)か、場合により試用期間を延長することがある。(最大9ヵ月)

後から判明したが、Cは、この通告後、WEB上で○○労組の存在を知り、相談メールを出し、組合加入していた。

Cは延長した試用期間中に、遅刻を繰り返し無断欠勤までしたため、会社は延長した期間の経過後に、Cに対して解雇を通告した。


その後、合同労組から会社へ電話があり、Cの解雇問題に対する団体交渉の申し入れが入った。会社は、これにより団体交渉に応じた。

【団体交渉の要求事項】

1) Cの解雇撤回
2) 試用期間中の未払い賃金の請求

【交渉の過程】

第一回目の団体交渉は、社内の会議室で行ったが、合同労組の要求を聞くだけで終了した。


第二回目の団体交渉は、公共の施設で行い、合同労組は断固Cの解雇撤回を要求し、会社は、事件を金銭解決で行いたい旨を回答したが合意に至らず、後日文書による回答を約束した。


その後、会社はやはり金銭解決を望む文書を出したが、組合は、それに応じず、再度、団体交渉を求めてきた。


会社は、それに対して、団体交渉には応じないとの回答をした。


合同労組は、労働基準監督署に対して、会社の労働基準法違反の申告を行い、会社は労働基準監督署から申告監督を受けた。


また、合同労組は、以下の内容で、不当労働行為救済申立を労働委員会に行った。


1) 会社は、組合員Cの平成○年○月○日付解雇を撤回しなければならない。
2) 会社は、申立人組合との団体交渉に速やかに応じなければならない。
3) 会社は、労働組合の組織と運営に支配介入してはならない。
4) 会社は、試用期間中の未払い賃金を速やかに支払わなければならない。


会社は、弁護士に救済申立の対応と合同労組との事務折衝を依頼した。


救済申し立てから3ヵ月後、解決金800,000円で、Cが合意退職することで合意した。


また、事務折衝で合意がなされたので、合同労組は救済申立を取り下げて終了した。

【解決】

救済申し立てから3ヵ月後、解決金800,000円でCが合意退職することで合意した。

前へ  次へ

このページの先頭へ