4)団体交渉を行う前に

ここでは、団体交渉を行う前に、事前に決めておく必要がある、場所や、日時、人員、交渉事項などについて、細かく解説いたします。

最初の団交は特に慎重に

団体交渉申入書が届いたからといって、そこに記載された通りに、即、団体交渉に応じる法的な義務はまったくありません。


団体交渉では、労使間の慣行(ルール)が非常に重要視されますから、最初の団体交渉のやり方、つまり、団体交渉を行う場所や、日時、人員、交渉事項は、事前に必ず文書でもらうなど、十分に検討して、有利な条件を提示してから望むことが重要です。


たまたま、最初の1~2回の取り決めが後々までのルールだなどと、労働組合から主張されることになってしまう可能性がありますからね。


また、そのルールを変えるには、合理的な理由が必要だなどと主張されることもあります。

団体交渉の場所

多くの場合、労働組合は、会社内の施設や会議室で団体交渉をするように求めてきますが、会社内の施設や会議室で団体交渉を行う法的義務はありません。


便宜供与の例外としては一部ありますが、基本的には会社内の施設を利用すべきではありません。


基本的に部外者との交渉ですから、会社施設外で行うべきです。


団体交渉の場所は、会社と労働組合とが協議して決めればよいのですから、必ずしも会社施設で行う必要がないことは言うまでもありません。


もし、何度か会社内で行っていても、会社内の施設には余裕がなかったり、予定が入っていて利用できない等の理由を説明し、場所を変更することは可能です。


また、労働組合の事務所等の場所も、出席予定者以外の急な参加や、予定時間を過ぎても延々と解放されないような可能性もありますので、労働組合の事務所も絶対避けるべきですね。


会社の施設や労働組合の施設では、終了時間がルーズになりがちですから、商工会議所の会議室や、公共の施設などを時間を区切って指定しても構いません。


いずれにしても、一度ルールになってしまうと変更するのは大変ですから、慎重に検討して下さい。

団体交渉の日時

団体交渉の日時についてですが、労働組合の指定した日時で団体交渉を行う法的義務はありません。


労働組合が指定してきた日程で、会社側の都合が悪い場合は、早めに労働組合に伝えて日程調整をします。


ただしこの場合、何週間も先の日程にするのは、団体交渉拒否にあたると主張される可能性がありますので、あまり先延ばし過ぎにならぬよう注意して下さい。


また、労働組合は、団体交渉を所定労働時間内に開催するように求めることが多いですが、所定労働時間内に団体交渉を開催する法的義務はありません。


労働組合の活動は、所定労働時間外に会社外の施設で行うのが原則です。


便宜供与の取り決めもなく、所定労働時間内に団体交渉を開催してしまうと、会社は、所定労働時間内の労働組合活動を容認したなどと労働組合から勝手な主張をされたり、支払う義務のない組合員のその時間帯の賃金を保証しろなどと言われかねないからです。


トラブル防止と会社の不利益を防止するためにも、団体交渉は所定労働時間外に行いましょう。

団体交渉の出席者

労働組合は、団体交渉への社長や代表者の出席を求めてきます。
しかし、社長や代表者が団体交渉に出席する法的義務はありません。


団体交渉への出席者は、人事課長や総務課長であっても、社長や代表者と同じくらい労働条件などについて決定できる交渉権限を有する人であれば一向に構いません。


ただし出席した者が、団体交渉の内容について、すべて社長に聞かないとわからないというのは、労働組合から不誠実団体交渉と主張されることもありますので、注意が必要です。


一般的に、中小企業では、要求事項の妥結権限や労働協約の締結権は、代表者が持つのが普通でしょう。


大企業ではあるまいし、従業員100人未満の会社の代表者は、なんでもやらなければ会社が存続しないことは、世の中で周知の事実です。


実際、代表者が団体交渉に出席できるほど暇な例は稀です。


代表者は、経営専権事項の遂行を最優先すべきであり、それが雇用責任を果たすことになります。


しかし、労働組合は、必ず代表者の団交出席を求めてきますが、先程申し上げた通り、法的義務などありません。


また、団体交渉時に、事前の要求事項に無いことを、労働組合が新たな要求として、突然言い出したような場合であれば、まず、事前に文書で要求事項として出すことを求め、団交の協議事項とするかどうかは、それを見て検討してから、文書で回答するとすべきでしょう。


尚、団交の場で回答できないことは、社内に持ち帰って検討すると言うことなどは、まったく問題ありません。


また、団体交渉は、必要最低限の人数で行うようにしないと、余計な混乱を招きます。

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