組合事務所と施設管理権

労働組合法第7条は、「最小限の広さの事務所の供与」は不当労働行為にならないとしています。


但し、供与は労使の合意に基づくものなので、供与しないこと自体は不当労働行為とは解されません。


使用者がその施設を組合に貸与した場合、組合事務所の占有権は組合にあり、使用者は組合の承諾なしに組合事務所内に立ち入ることができません。


但し、施設管理上緊急やむを得ない場合には組合の承諾を得ることなく立ち入ることができるとした判例もあります。(新潟放送事件 新潟地裁 s53.5.12)


なお、労働組合が分裂して組合員数がきわめて少数となった場合には、当該組合の法律的同一性が失われ、組合事務所の使用関係が消滅するとした裁判例があります。(興国人絹パルプ事件 福岡高裁 s41.12.23)

労働組合が労働委員会に申し立てをしたが、以下の点からその資格が問題とされた。


(1)中央執行委員15名中5名の組合活動による不就労時間は1年間で1330時間、賃金換算で410万円


(2)組合事務所は会社が借り上げ、保証金1300万円のほか、賃料・光熱費で年間840万円を会社が負担。


会社は、こうした事情から、労働委員会の手続きに参与する資格を有しないと主張。


これに対し、委員会は「会社が、自らの判断で支部と合意し、支部組合員の就業時間内の組合活動について賃金を控除しないこと及び組合事務所を貸与することを認めておきながら、後日にいたってそれが不適当、違法な行為であり、労働組合として自主性が失われるから、申立て資格がないと主張するのは、許されないばかりでなく、本件支部の申立て資格については、申立人も主張するとおり、既に当委員会平成3年(不)第59号事件において、これを認めているところであって、その判断を変更すべき特段の事情があるとは認められない本件においては会社の主張を採用することはできない」とした。


なお、組合と会社が確認書により取り決めた範囲外の組合員に対するチェックオフの拒否については、会社側の支配介入には当たらないとされた。


日本アイ・ビー・エム事件 東京都労働委員会 H13.3.27

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