部分スト・一部ストと賃金カット

ピケッティングなどにより、スト参加者以外の従業員が業務に就けなかった場合、賃金請求権が問題となります。


賃金カットは、個々の労働者について検討する必要があります。

一部労働者の争議行為があったとしても、当該争議行為により全然影響を受けない作業に従事する労働者の賃金を一律に差し引くことは、本条違反になる。


(S24.5.10 基発第523号)

学説では、賃金請求権は失われず、使用者が支払義務を免れるのは、適法なロックアウトの手段が講じられた場合だけであるというものが大勢となっています。


しかし、裁判では、この就労不能を民法536条1項の「債務ヲ履行スルコト能ハサルニ至リシトキ」だとし、使用者にとっていかんともしがたい事態であるから、労働者は賃金を受ける権利を持たないという解釈に立っています。(最高裁 S62.7.17)


また、労基法26条による休業手当の請求に対しても、「使用者の責に帰すべき事由による休業」ではないため、請求できないというのが最高裁の判断です。

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